※注意※
給料ファクタリング業者の中には悪質な者もいて、利用者から高い手数料を取ることもあり、法律で裁けずに利用者が泣き寝入りすることになりかねないため、利用する前にはよく注意する必要があります。
ファクタリングは基本には2社間や3社間がありますが、給与ファクタリングというものもあります。
給与ファクタリングというのは自分の給与の債権、すなわち給与を払ってくださいと言える権利をファクタリング会社に買い取ってもらうことで現金を手にすることです。
買い取ってもらうため、給料日前に現金を手にすることも可能でお金に困っている人がやるケースが多いです。
以下で給与ファクタリングについて詳しく解説します。
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給与ファクタリングはなぜやばいと言われるのか?
一般的なファクタリングは違法でもないですし、これと言ってやばいとも言われていません。
しかし給与ファクタリングはやばいと言われているのです。
それはなぜかというと、2社間ファクタリングのように正式な企業間でのやり取りではないからです。
給与ファクタリングは個人が加わってくるため、やばい!と言われています。
もっと言えば、労働基準法に賃金は必ず労働者に直接支払うこと、と定められているのに給与ファクタリングは労働者ではなく結果的にファクタリング会社に支払うことになります。
こういうことから、給与ファクタリングはやばいと言われているのです。
実際、金融庁も給与ファクタリングについてはある程度の警告をしているくらいですので積極的にやるのは避けた方が良いかもしれません。
給与ファクタリングは違法か?
上記の通り労働基準法に反しているわけですから、違法ということになります。
しかし過去の判例ではある企業は貸金業法に従っていなかったとして違法と判断されています。
貸金業法では、賃金業登録をしなければならない、定められた上限金利内で金利を抑えなくてはならないというルールがありこれに従っていないために違法とされました。
これは2020年に金融庁が給与ファクタリングは貸金業に該当すると判断を示したために適用され、いずれにしても違法であることに違いはありません。
中にはファクタリングなのだから2社間や3社間と給与ファクタリングは同じではないかと思い込んでいる人もいるでしょうが、実際には両者は合法か違法かで大きな違いがあると言えます。
給与ファクタリングと闇金の関係性は
給与ファクタリングを解説する際に避けて通れないのが闇金です。
闇金というのは法外な手数料でお金を貸し出す存在のことで、お金に本当に困ってしまうとなりふり構わずこれに手を出してしまうものです。
そしてこの闇金ですが、貸金業法の登録をすることなく給与ファクタリングを行っている業者もこのように呼ばれてしまいます。
すなわち、利用しようと思うファクタリング会社を決めたならば、そこは本当に貸金業法に登録されているかを確認しておかなければならないのです。
もしそうでなくて給与ファクタリングを行っている場合には闇金として扱われます。
場合によっては給与ファクタリングは文句なしに闇金だと決めつける人もいますので、どうしても不安な人は給与ファクタリングではなく住んでいる地域の福祉部門に相談することをおすすめします。
給与ファクタリングと正規ファクタリングとの違いは
給与ファクタリングは違法ですが正規は違法ではありません。
給与ファクタリングはある人の給与債権を買い取って手数料を取ることを言います。
もちろん給料がその人に入ったらその分も支払ってもらうためこれにより大きく儲けている業者も少なくありません。
その一方で正規のファクタリングは会社が売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、早期に資金を確保することを言います。
先述の通りこれは合法なので、実際に調べてみると実に多くのファクタリング会社があることが分かります。
こちらも手数料をとってはいますが、資金に困っている会社にしてみれば本当に強い制度なのです。
一般的な内容としては債権を買い取って早期に現金を手にできるため、大きな違いはないように思いますが貸金業法の関係などからかなり違いがあります。
給与ファクタリングが合法にならなかった判決がある
何度も触れていますが、給与ファクタリングは違法です。
では場合によっては合法になるのかというと、今のところそのような判決は存在しません。
過去にあった違法判決をここでは見ていきましょう。
ある都県の男女9人が給与ファクタリングをして、手数料ということで法外な金利を支払いました。
ところがこれは無効だとして430万円の返還を求めて訴訟を起こし、結果的に裁判所は法外な金利は無効だとして全額返還を命じたのです。
法外な手数料というのがミソで、これは闇金と同じことになります。
その他にも給与ファクタリングが違法となった判決はありますが、多くの場合手数料が問題になって争われているのです。
それだったら正規のファクタリング会社にも明らかに高い手数料を設定していることがあるではないか、と反論したくなるでしょうがこれらはあくまでも会社自体が設定したもので貸金業法に登録してあれば別段違法にはなりません。
手数料をチェックすることも大切ですが、貸金業法に登録してあるかどうかも忘れずに見ておくべきです。
給与ファクタリングについての最高裁の決定
給与ファクタリングについては大きな問題となっており、2023年に最高裁はある決定を下しています。
それは、給与ファクタリングは貸金業法及び出資法の貸し付けに該当するということでした。
何が言いたいのかというと、これによって給与ファクタリングは貸金業法と出資法の適用を受けることになるわけです。
給与ファクタリングではファクタリング会社はファクタリングをした会社員からお金を取り立てることになるのですが、これは貸し付けと何も変わりません。
そのために最高裁はこうした決定を下したのです。
仮に金銭の交付が給与債権の譲渡の対価として行われたものであっても、利用者とファクタリング会社の間には金銭交付と同じ内容のものが存在すると認めました。
少し難しいかもしれませんが、法律で言えば貸金業法2条1項、出資法5条3項の貸し付けに該当するとしたのです。
この事例では、ファクタリング会社は東京都知事の登録を受けずに運営されていたことも分かっています。
事前に確認をするなどして登録がないと分かっていれば、法律違反として表に出ることもなかったでしょう。
給与ファクタリングは非常に危ないもの
ファクタリングなので同じと思っていては危険です。
とは言っても、どうしてもお金に困って生活もままならないようでは給与ファクタリングに手を出すことも考えられるでしょう。
いくら違法だったと分かっていても、生きていくためには手段を選ばないという人も多くいるからです。
しかしその場はしのげても後から法律違反になりさらなるトラブルに見舞われることになります。
もしファクタリングをする場合には登録があるかどうか、法外な金利を取り立てていないかどうかを必ず確認しましょう。
違法ではないものの危険だ、という立場の人もいますが明らかな違反という意識で向き合った方が良いです。
※注意※
給与ファクタリング業者の中には悪質な者もいて、利用者から高い手数料を取ることもあり、法律で裁けずに利用者が泣き寝入りすることになりかねないため、利用する前にはよく注意する必要があります。